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日常的な出来事やScienceの分野で興味をもったことについていろいろ書いています♪コメントやメール待ってます(^o^)thompsons@excite.co.jp


by Thompsons
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ウラシルの謎

私たちは2種類の核酸をもっています。DNAとRNA・・・。

両者の間の違いは2つ・・・。DNAは構成糖にデオキシリボースを用い、チミンを塩基として使用する。一方RNAは構成糖がリボースで、チミンの代わりにウラシルを使う・・・。

ニワトリと卵ではありませんが、RNAとDNAはどちらがプロトタイプなのか???

それは様々な理由からRNAであることはほぼ疑いようのないこととして受け入れられています。

RNAは前にも話したようにリボースの2’OHが高い反応性を持ち、結果として自身を分解してしまうので、安定して遺伝情報を保存するためには向いていません。

そこで、水酸基が酸素に置換したDNAを

続いて、DNAがウラシルでなくチミンを塩基として使う理由ですが。。。

これは「DNA誕生の謎にせまる! 武村政春著」という本の中で納得のいくわかりやすい仮説が提示されていました。

DNAの塩基はA(アデニン)T(チミン)G(グアニン)C(シトシン)で構成されていますね。

実はシトシンが脱アミノ化という反応を受けるとウラシル(U)になっちゃうんです。この脱アミノ化反応は我々の体内では頻繁に生じている現象です。

もしですね、DNAがウラシルを構成塩基として使用していたら・・・脱アミノ化されたシトシン(つまり“成りウラシル”)とウラシルの違いが区別できなくなってしまいますよね。

DNAの仕事は遺伝情報を正確に(多少のゆらぎをもちつつ)世代を超えて伝えるのが仕事です。

脱アミノ化されたシトシンが修復されることなく、次の世代に伝わってしまったり、最初からウラシルだったのに、修復機構が余計なお世話からシトシンに変換してしまったりしたら、もう大変です(>_<)

そうなると、生物が受ける突然変異率は今に比べて桁違いに上昇してしまうでしょう。

それでは困るということで、DNAはウラシルではなくチミンを構成塩基として使用することにした、、、というか、チミンを構成塩基とするDNAが生き残ったというほうが正しいでしょうか。

ある種のDNAウィルスは構成塩基がチミンではなくウラシルのものがあるようです。それはRNAがDNAへと変換される途中段階のものかもしれません。。。

ウィルスでそのようなハイブリッドなものが見つかったのはとても重要です。ウィルスが生物の進化に関わったことを匂わせる証拠にもなり得ます。

生物において、ウラシルが構成塩基として使われている生物はいません。おそらく上記のような理由で、半保存的な複製が出来ずに淘汰されてしまったと考えるのが妥当なようですが、、、

どっかにひっそりといないかなぁーと個人的には期待しています♪
by Thompsons | 2010-10-05 09:36 | 生物の雑学