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by Thompsons
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最大寿命

昨日は動物において、細胞の老化が個体の寿命を決める重要な原因であることを書きました。。。今日は個体の「最大寿命」につて考えてみたいと思います。

近年、人類の平均寿命は飛躍的に延びています。日本人女性を例にとってみると、2009年の結果では86歳で世界1位だそうです。しかし、1950年の日本人女性の平均寿命は62歳なんですね。この60年の間に平均寿命が24歳も増加したと言うことになります!!世界的に見てもやはり平均寿命は20歳前後で延びています。

100歳を超える人は1980年には世界で1000人程度でしたが、現在はなんと3万人以上いるそうです!!!

このままいけば、平均寿命が200歳とか、300歳も夢じゃない!!!

・・・残念ながら、そうはいかないんです。。。

この数十年間、確かに平均寿命は飛躍的に増加しましたが、実は最大寿命には変化は見られません。

ギネス記録を見ると、1950年代に長寿記録を争ったのは2人のアメリカ人女性で、それぞれ113歳と114歳です。そして、2009年長寿で亡くなっ方は2人いますが、どちらも115歳でした。また、この間に120歳を超えたのはフランスのジャンヌ・カルマンさんの122歳と日本の泉重千代さんの120歳の2例だけです。

この結果を見ると、平均寿命は60年間で20歳くらい増加したとはいえ、最大寿命は120歳がどうも限界らしいということが分かると思います。

いったいなぜでしょう?

前回、ヘイフリック限界といって人の細胞の分裂回数の限界は約50回であるということをお話ししました。

しかし、神経細胞や心筋細胞は少し様子が異なります。これらの細胞は組織が完成した後は分裂しないのです(基本的には)。分裂しないと言うことは、死ぬまで同じ細胞が働いているということを意味しています。

心臓や神経に癌がほとんど生じないのはそれらの細胞が分裂しないからです。

しかし、それらの細胞にも寿命があります。

実は神経細胞と心筋細胞の寿命は120年と言われています。

したがって、これらの細胞の寿命を延ばす方法を考えなければ、どんなに頑張っても120歳を超えて生きることは出来そうにないということです。
by Thompsons | 2010-01-29 10:00 | 寿命・老化