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日常的な出来事やScienceの分野で興味をもったことについていろいろ書いています♪コメントやメール待ってます(^o^)thompsons@excite.co.jp


by Thompsons
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扱いにくいRNA

「RNAはDNAより慎重に扱うべし。」

これは分子生物学の実験をしている人間なら、当然のことです。研究室により慎重さの程度はことなりますが、うちはちょー厳しかったので、RNAを扱う実験は今でもトラウマです (^_^;)

なぜ、RNAはDNAより慎重に扱うのか?

それは、RNAはDNAより分解されやすいからです。つまり不安定なんですね。

ちょっと説明すると・・・。

RNAはご存じのように(・・・という呈で)リボースの2位が水酸基ですね。DNAはこの水酸基が水素に置換されています。

このRNAの水酸基は孤立電子対が2つあります。つまりマイナスの電荷を帯びており反応性が高い状態にあります。

RNA鎖はリボヌクレオチドがホスホジエステル結合でつながった核酸ですが、先ほどの水酸基はこのヌクレオチドをつなぐホスホジエステル結合と反応して切断しちゃうんです。

(スプライシングの投げ縄構造も2’OHとリン酸基の反応です。The Cell 4 th p.318)

これがRNAが分解されやすい原因です。

RNAは体内でも役割を終えるとすみやかに分解されてしまいます。

体内、、、細胞内の環境は細胞が晒されている環境に応じて、常に変化しています。状況に応じて、使われるタンパク質、、、つまり、遺伝子情報は変わります。

環境が変化したにも関わらず必要なくなったmRNAが分解されずにずっとその場に留まっていたら、他の反応を妨害したりして邪魔になっちゃいますよね。

また、mRNAが分解されずに細胞内をフラフラしていると必要以上のタンパク質が作られてしまい、細胞に毒性を与えてしまうことだってあります。

このようにmRNAがちゃんと分解されてくれるからこそ、複雑な生命システムは成り立っているわけで、、、

だから、実験でRNAが分解されやすいのに困るのはしょうがないですが、、、

まぁ、腕の良い人ならサッサッ!っと出来ちゃうんでしょうけどね(^_^;)

・・・がんばります(>_<)
by Thompsons | 2010-09-27 10:26 | 生物の雑学